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税理士法人はるか

宗教法人の法人税Q&A

QA3.収益事業に該当するかどうかの具体的な判定

宗教法人において一般的に行われていると思われる事業について、収益事業に該当するかどうかの判定は、おおむね次によることになります。

1 お守り、おみくじ等の販売

お守り、お札、おみくじ等の販売のように、 その売価と仕入原価との関係からみてその 差額が通常の物品販売業における売買利潤 ではなく、実質的な喜捨金と認められるよう な場合のその物品の頒布は、収益事業には該当しません。しかし、一般の物品販売業者においても販売されているような性質の物品(例えば、絵 はがき、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花、数 珠、集印帳、硯墨、文鎮、メダル、楯、ペナント、 キーホルダー、杯、杓子、箸、陶器等)を通常の販売価格で販売する場合には、その物品の販 売は収益事業(物品販売業)に該当します。
なお、線香やろうそく、供花等の頒布であっても、専ら参詣に当たって神前、仏前等にささげるために下賜するものは、収益事業とはなりません。

2 墳墓地の貸付け

宗教法人が行う墳墓地の貸付けは収益事業に該当しないこととされており、この墳墓地の貸付けには、その使用期間に応じて継続的に地代を徴収するもののほか、その貸付け当初に「永代使用料」として一定の金額を一括徴収するものも含まれます。(法基通15-1-18)

3 境内地等の席貸し

宗教法人の境内地や本堂、講堂等の施設を不特定又は多数の者の娯楽、遊興又は慰安の用に供するための席貸しは全て収益事業(席貸業)に該当し、会議、研修等の娯楽、遊興又は慰安の用以外の用に供するための席貸しも、国、地方公共団体の用に供するためのものなど一定の要件に該当するものを除き、収益事業に該当します。

4 宿泊施設の経営

宗教法人が所有する宿泊施設に信者や参詣人を宿泊させて宿泊料を受ける行為は、その宿泊料をいかなる名目で受けるときであっても、収益事業(旅館業)に該当します。
しかし、宗教活動に関連して利用される簡易な共同宿泊施設で、その宿泊料の額が全ての利用者につき1泊1000 円(食事を提供するものについては、2食付きで1500 円)以下となっているものの経営は、収益事業には該当しません。

5 所蔵品等の展示

宗教法人がその所蔵している物品又は保管の委託を受けたものを常設の宝物館等において観覧させる行為は、収益事業には該当しません。

6 茶道、生花等の教授

宗教法人が茶道教室、生花教室等を開設し、茶道、生花等特定の技芸を教授する事業は、収益事業(技芸教授業)に該当します。
この場合の特定の技芸としては、茶道、生花のほか、洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、絵画、書道、写真、工芸、デザイン(レタリングを含みます。)等があります。
なお、これらの技芸の教授には、通信教育によるもののほか、免許、卒業資格、段位、級、師範、名取り等の一定の資格、称号等だけを付与するものも含まれます。

7 駐車場の経営

宗教法人が境内の一部を時間極め等で不特定又は多数の者に随時駐車させるもののほか、月極め等で相当期間にわたり継続して同一人に駐車場所を提供する事業は、収益事業(駐車場業)に該当します。このほか、駐車場に適する土地を駐車場所として一括して貸し付ける事業も同様に取り扱われます。

8 結婚式場の経営

宗教法人が神前結婚、仏前結婚等の挙式を行う行為で本来の宗教活動の一部と認められるものは収益事業に該当しませんが、挙式後の披露宴における宴会場の席貸し、飲食物の提供、衣装等の物品の貸付け、記念写真の撮影又はこれらの行為のあっせん等は、収益事業に該当します。

9 墓地の管理収入(護持費収入)

宗教法人が、一定の料金表を提示して、墓地の永代使用料とは別に、墓の管理運営費として収受した護持費収入については、墓地の管理を行うために徴収するものですから収益事業(請負業)に該当すると認定された事例があります。(国税不服審判所2014.12.08裁決)ただし、寺院墓地につき、墓地の使用規則において自ら典礼を行うことを埋葬の条件としているような場合については、宗教行為となり非課税と認められるようです。

10 住宅地の貸付で低廉なもの

主として住宅の用に供される土地の貸付で、その貸付けの対価の額が低廉である場合は、不動産貸付業に該当しないとされています。
「主として住宅の用に供される」とは、(ア)当該貸付地の上にある建物の床面積の2分の1以上が居住の用(賃貸住宅の用を含み、別荘の用を除きます。)に供されており当該貸付地の面積が当該貸付地の上にある建物の床面積の10倍以下であることをいいます(法人税基本通達15-1-20)。
「貸付けの対価の額が低廉であること」とは、当該貸付地について経常的に収受する地代の額(契約の締結、更新又は更改に伴って収受する権利金その他の一時金の額はこれに含めません:法人税基本通達15-1-21)が、当該貸付地に課される固定資産税額及び都市計画税額の合計額の3倍の金額以下であることとされています(法人税法施行規則4条)。

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