税理士法人はるか

QA3.宗教法人の不動産保有(税金)

 宗教法人の所有している固定資産のうち宗教法人が所有している、又は無料で借り受けているもので宗教法人本来の目的の

ために使用されている境内建物及び境内地の固定資産税は非課税として扱われます。

 

 境内建物及び境内地に該当する場合、固定資産税は非課税となります。ただし、第三者から建物や土地を有料で借り受けて

いる場合は、境内建物や境内地に該当している場合でも貸している者に固定資産税は課されます。

 

非課税となる固定資産税

1.下記(1)~(4)のいずれかに該当(地方税法348)

 (1)宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条(境内建物及び境内地の定義)に規定する境内建物及び境内地

  (同条Ⅱ③)

 (2)宗教法人が設置する幼稚園において直接保育の用に供する不動産 (同条Ⅱ➈)

 (3)宗教法人が設置する博物館(博物館法2Ⅰ)において直接その用に供する不動産 (同条Ⅱ➈)

 (4)墳墓地 (同条Ⅱ④)

2.宗教法人法その他の法令に適合していること

 ※農地法5Ⅰに基づく農地転用許可、国土利用計画法、建築基準法6に基づく建築確認通知など

3.宗教法人法に定める手続を経て取得していること

4.宗教法人の内規(規則)に定める手続を経て取得していること

5.不動産所在地の県知事に申請し、非課税証明書の交付を受けること

 ※上記1~4の要件を証明して交付申請します。

 ※固定資産税用の非課税証明書の写しを提出します。

6.不動産登記が完了したら、非課税証明書を添付して非課税申告すること

 ※非課税申告をしなくても、市町村役場職員が現地調査をして課税・非課税を決定しますが、適正な非課税決定を得る

  ために申告します。

 ※上記5の非課税証明書を添付します。

 

<納骨堂について>

 宗派不問の納骨堂の一部に対し、別会社に販売業務を委託していて広く使用者を募集していた事などをあげ、本堂部分以外は

境内建物及び境内地に当たらないとし、都が固定資産税を課税したというケースがあります。

 

 宗教法人側の主張として宗旨を問わない事について「教義を広めてあまねく人に仏の慈悲をもたらす機会を与える」と主張

したのですが、判決においては「宗教団体としての主たる目的を実現するために使用している状況にあるとは認められない」

として固定資産税の課税処分は適当であるとされました。

 

 宗教法人に対する税金には様々な優遇措置が認められていますが、非課税の対象外であると判定された場合、後で多額の

加算税等を加えた税金を支払う事となってしまいます。判定については専門家に意見を聞くなど、慎重に行う必要があります。