QA22.宗教法人の基本財産と特別財産について、どう区分けするか教えてほしい
宗教法人は、礼拝の施設とその他の財産を有し、維持運営し、その業務の遂行を行う団体です。
したがって、宗教活動を行っていく上で、財産を適切に区分して管理する必要があります。
宗教法人の財産は次の3区分となります。
区分 | 内容 | 具体例 |
特別財産 | 宗教活動を行う上での固有の財産 | 1.宝物 本尊、神像等、法人にとって代わりのない財産 2.什物 宗教活動に使用する重要な道具類 |
基本財産 | 宗教活動を行う上で基礎となるべき 財産 | 1.境内地 2.境内建物 3.一定の基金 |
普通財産 | 宗教法人の日常活動に要する費用等 に充当する財産 (特別財産、基本財産以外の財産) | 1.現金、預金(基本財産に設定されたものを除く) 2.不動産(基本財産に設定されたものを除く) 3.車両 など |
宗教法人法第12条では、規則において「基本財産、宝物その他の財産の設定、管理及び処分、予算、決算及び会計その他の
財務に関する事項」を定めるように決められています。
したがって、法人自身でこれらの財産につき判断して決める必要があります。
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【基本財産の登記について】
宗教法人法は設立時の登記事項に「基本財産がある場合には、その総額」(第52条第2項第5号)とされています。
基本財産のない宗教法人はないでしょうから、基本財産の金額は登記されていると考えられます。また、不動産の寄付などにより
基本財産の総額に変更を生じた場合は知事の認可を経て規則変更の手続を経てから、登記申請をしなければなりません。
<宗教法人の規則において基本財産の「金額」の記載のある場合>
規則において基本財産の金額の記載を行っている法人は、基本財産の総額を登記していますし、またその変更があった場合にも、
規則の変更の認可を受けた後、変更した規則を添付して変更の登記を行うことになります。
<宗教法人の規則において基本財産の「金額」の記載のない場合>
宗教法人の規則には、当然基本財産の記載はあるが、金額の記載がない場合(こちらの方が多いと思います)はどうするかです。
宗教法人法は設立時の登記事項に「基本財産がある場合には、その総額」(第52条第2項第5号)とされていることから、設立時に
基本財産がある場合は、設立時に基本財産の総額の登記を行っているはずです。以降に変動があった場合、規則の変更は必要あり
ませんから、所轄庁の認可は不要となり、規則を添付することはできませんから会計帳簿や代表役員の証明書などを添付して
登記変更をすることになります。