税理士法人はるか

QA2.このたび、信者から遺贈(あるいは贈与)によって土地(時価1000万)の寄付をうけました。<br>遺族(贈与者)の方の所得税、相続税・贈与税はどうなりますか。また宗教法人の側はどうなりますか。

<被相続人・贈与者の所得税>

宗教法人に譲渡所得の起因となる財産を贈与又は遺贈した場合、原則所得税法第五十九条第一項第一号 の規定により時価で譲渡したものとして所得税が課されます。

したがって、遺贈の場合については、被相続人の納税義務を承継する相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の相続開始年分の所得税の確定申告書を提出し(準確定申告)、その申告期限までに遺贈不動産に係る譲渡所得税の納税義務を負います(所法124)。

ただし租税特別措置法第40条(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)の適用を受ける事が出来れば譲渡がなかったものとして課税されません。

この特例を受ける為には、宗教法人に寄附した日から4月以内に納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に承認申請をする必要があります。もちろん申請したからといって必ず認められるかどうかは分かりませんので、実際には贈与する前に承認されるかどうか検討が必要でしょう。

 この国税庁長官の承認される要件の概略は以下のとおりです。

  1. その寄附が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること
  2. 寄附財産がその寄附日から2年以内に寄附を受けた宗教法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること
  3. 寄附により寄附した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附した人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないこと。このためには公益法人等の運営組織が適正であるとともに、その寄附行為、定款又は規則において、理事、監事及び評議員のいずれにおいても、そのうちに親族関係がある人及びこれらの人と特殊の関係がある人の数の占める割合が、3分の1以下とする旨の定めがあることが必要とされています。

 <宗教法人の側>

個人が宗教法人に対し贈与または遺贈をした場合、宗教法人等は原則として課税はありません(法1の3、1の4)。しかし、当該贈与又は遺贈により当該贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税等の負担が不当に減少する結果となると認められるときは、当該宗教法人を個人とみなして相続税等が課税されることになります。(相続税664項)