措置法40条の適用を受けるにあたっては、宗教法人が措置法施行令25条の17⑤の要件
を満たす必要があり、そのなかに宗教法人の「運営組織が適正であること」との記載があり
ます。この運営組織が適正と認められるかは、通達(注)15においてその基準が定められて
います。この通達では、旧民法における財団法人、社団法人を想定した記載となっています
ので、これを宗教法人に読み替えて、以下に内容を整理しました。
(注) 直資2-181(例規)昭和55年4月23日
租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて
(1)寺院規則において次の事項が定められていること
➀ 責任役員の定数は6人以上、監事の定数は2人以上
② 法人の管理運営に関する事項を審議するために評議員会(総代会等)の制度があり、
評議員の定数は役員の定数の2倍を超えていること。ただし、責任役員と評議員との
兼任禁止規定が定められている場合は、評議員の定数は、理事と同数以上とする。
③ 責任役員、監事及び評議員の選任は、たとえば、責任役員及び監事は評議員会の議決
により、評議員は責任役員会の議決により選出するなど、その地位にあることが適当
と認められる者が公正に選任されること。
④ 役員会の議事の決定は法令に別段の定めのあるときを除いて次による
A. 重要事項
下記の事項については責任役員総数の2/3以上の議決を必要とする。また、これら
の事項については、 評議員会の同意を必要とする。
1. 収支予算(事業計画を含む)
2. 収支決算(事業報告を含む)
3. 基本財産の処分
4. 借入金(その会計年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く。)その他
新たな義務の負担及び権利の放棄
5. 規則の変更
6. 解散及び合併
7. 公益目的以外の事業に関する重要な事項
B. その他事項
Aの事項以外については責任役員総数の過半数の議決を必要とする。
⑤ 評議員会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、評議員総数の過半数
が出席し、その出席評議員の過半数の議決を必要とすること。
➅ ④⑤の議事の表決を行う場合には、あらかじめ通知された事項について書面をもっ
て意思を表示した者は、出席者とみなすことができるが、他の者を代理人として表決
を委任することはできないこと。
⑦ 役員等には、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。
⑧ 監事には、役員(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(その親
族その他特殊の関係がある者を含む。)並びにその法人の職員が含まれてはならない
こと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。
(2)当該法人の事業の運営及び役員等の選任等が、法令及規則に基づき適正に行われてい
ること。
(注) 他の一の法人(当該他の一の法人と法人税法施行令(昭和40年政令第97号)
第4条第2項((同族関係者の範囲))に定める特殊の関係がある法人を含む。)又は団
体の役員及び職員の数が当該法人のそれぞれの役員等のうちに占める割合が3分の
1を超えている場合には、当該法人の役員等の選任は、適正に行われていないものと
して取り扱う。
(3)当該法人の経理については、その法人の事業の種類及び規模に応じて、その内容を適
正に表示するに必要な帳簿書類を備えて、収入及び支出並びに資産及び負債の明細が
適正に記帳されていると認められること。