宗教法人への寄付・相続Q&A
QA9.運営組織が適正であることの解釈
Q.相続税施行令33条③の宗教法人の「運営組織が適正である」とは、どのような組織体制を指しますか?
A.宗教法人が「その運営組織が適正である」とは、具体には次のような組織体制であれば、適正であると判断されます。(相続税
法基本通達 個6「公益法人に対して財産の贈与があった場合の取扱いについて 15. その運営組織が適正であるかどうかの判
定」ハ 学校法人・・・、宗教法人 その他持分のない法人)
(イ)その法人に社員総会又はこれに準ずる議決機関がある法人
A.理事の定数は6人以上、監事の定数は2人以上であること。
B.理事及び監事の選任は、例えば、社員総会における社員の選挙により選出されるなどその地位にあることが適当と認められる
者が公正に選任されること。
C.理事会の議事の決定は、次のEに該当する場合を除き、原則として、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の議決を
必要とすること。
D.社員総会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、社員総数の過半数が出席し、その出席社員の過半数の議決を
必要とすること。
E.次に掲げる事項(次のFにより評議員会などに委任されている事項を除く。)の決定は、社員総会の議決を必要とすること。
この場合において、次の(E)及び(F)以外の事項については、あらかじめ理事会における理事総数(理事現在数)の3分の2以上の議決を必要とすること。
(A)収支予算(事業計画を含む。)
(B)収支決算(事業報告を含む。)
(C)基本財産の処分
(D)借入金(その会計年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く。)その他新たな義務の負担及び権利の放棄
(E)定款の変更
(F) 解散及び合併
(G) 当該法人の主たる目的とする事業以外の事業に関する重要な事項
F.社員総会のほかに事業の管理運営に関する事項を審議するため評議員会などの制度が設けられ、上記(E)及び(F)以外の事
項の決定がこれらの機関に委任されている場合におけるこれらの機関の構成員の定数及び選任並びに議事の決定については次
によること。
(A)構成員の定数は、理事の定数の2倍を超えていること。
(B)構成員の選任については、上記ハ(イ)のBに準じて定められていること。
(C)議事の決定については、原則として、構成員総数の過半数の議決を必要とすること。
G.上記ハ(イ)のCからFまでの議事の表決を行う場合には、あらかじめ通知された事項について書面をもって意思を表示した者
は、出席者とみなすことができるが、他の者を代理人として表決を委任することはできないこと。
H.役員等には、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。
I.監事には、理事(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)
並びにその法人の職員が含まれてはならないこと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。
これらの要件(組織等のガバナンス体制)を満たすハードルは小規模宗教法人においては、きわめて高いものです。本通達を満
たさないケースであっても、寄付者と法人の関係性が独立したものであれば、課税上問題がないものとして扱われます。
詳しくはQA10をご参照ください。